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ROGER McGUINN ロジャー・マッギン

ストリート精神とブラック・ミュージック。あるいは芸術における社会民族文化論。

ロック界の錬金術師。ザ・バースのリーダーとしても解散後の活動も終わりない。
ジェームズ

ボブ・ディランを引きづり上げた男。
プレスリーでロックン・ロールに目覚め、
ジョン・レノンとディランを足して、
フォーク・ロックを始めた。
ザ・バース はでっちあげられた伝説がないが
故に、その音楽の世界は広がり、行きついて 解散を成した。ロジャー・マッギンは今もなお、
現役のロックン・ローラーだ。
人生を音楽と共に生きた彼が得た
自由のSORAで、翔ぶ姿は今もバースだ。

←バース解散後の初のソロアルバム(1973年発表)音楽センスは酒落っ気いっぱいの快作。


 上田正樹がテレビでブルース・バージョンの「悲しい色やねん」を唄い、「これからの人生は 、 ブルースを唄って生きていく」と語っていた。尊敬するミュージシャンが、今なおワールド・ツアーを行い、 現役ブルース・シンガー、元アニマルズのエリック・バートン。サウス・トウ・サウス時代、日本一のソウルブルースシンガーと 評された。自分の唄いたい歌では食っていけない日本の音楽市場。仕方なく歌謡路線に走ったものの、 ここに来てブルースを唄う人生を選択。
 60年代、「朝日のあたる家」でイギリスからアメリカに、白人ブルース旋風を起こしたアニマルズ。そのボーカルの  エリック・バートンは生まれつきシャフター。 上手に唄うことよりも、シャフトすることに徹していた。歳は60代になり、今なおアルバムを発表し続けている。  時が経つと、ミュージシャンの等身大が見えてくる。アメリカの元バーズのロジャー・マッギンの今は、とても清々しい。  紹介するアルバムは、彼のライヴをセレクトした「ライヴ・フロム・マーズ」。冒頭から、エルビス・プレスリーの  「ハート・ブレイク・ホテル」を、アコスティック・ギター一本で唄う。これがロックン・ロールしている。  プレスリーに影響を受けた話も収められ、彼までもがプレスリーか、と驚いてしまった。解説にあたるトークの部分と歌で、  CDは進んでいく。「ミスター・タンブリンマン」のイントロ(頭の)部分は、バッハの「主よ人の望みの喜びを」からヒントを得て、  アレンジしたと。そして一本のアコで歌は始まる。  

ロジャー
 

←ロジャー・マッギンのアコースティックのロックン・ロール・ライヴアルバム

   

 フォーク・ロックがディランとジョン・レノン(ビートルズではない)を合わせて作られた、と話す。 バッハの楽曲創りの手法を取り入れて、アレンジセンスは素晴らしい。  彼が「ミスター・タンブリンマン」をディランに発売前に聞かせた。ディランが、これが自分の曲と気付かなかったというエピソードは、  あまり知られていない。  アイデアが豊富で、いろいろな試みを繰り返しながら、そしてメンバー・チェンジを行いながら、進化した。メンバー・チェンジが  激しかった理由は、彼のワンマン振りを指す評論家がいた。後々のアルバムを聴くと、元メンバーのクロースビーとも共作したりで、  音作り優先で活動していた。サイケ、カントリー、ブルース、ジャジーロック。解散時のメンバーは、クラレンス・ホワイト、  ジーン・パーソンズを名指ししておきたい。ビートルズがライブが出来ない曲作り。その逆を行ったライヴの為のメンバーだったが、  ロックン・ローラーとしてのロジャー・マッギンを評価すべきだ。2006年に4枚組「ザ・フォーク・デン・プロジェクト」。  2007年には新作「ラヴ・フロム・スペイン」を発表。さらに自伝を執筆中。純粋な音楽家であり続ける彼に好感が持てる。

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