Homeタブレット2号五行と魔よけ

「五行と魔よけ」

鳥居

人生を脅かす「魔もの」。

「魔もの」から身を守るための
呪文や呪符が「魔よけ」。

人類の歴史は「魔物」との
闘いでもあった。

「魔よけ」を今に残すものがお守り。

 お守りとは神仏の加護を具象化したものだが、ルーツは「魔よけ」。
「魔よけ」とは、人間を脅かす悪霊や邪鬼(邪気とも書く)などから身を守る。
そして、それらを退散させ福をまねく呪物、呪法だ。日本の風土は水を崇める。四方が海に囲まれ、農耕にとって雨は水の神で、 魚は大切な食物であった。河の水は田畑に潤いを与え、川魚を食す。飲み水としても貴重。
海の沖に出て漁獲する。天空が荒れると海にのみこまれ、風は涼しさをもたらすが、人の命さえ奪う。 火をおこして食物を調理する。火は黒暗をともし、明かりを与えてくれる。が、落雷ほど恐ろしいものはない。 土は耕物を育て、森林は山を守る。木は住居となり、布を生み、紙として生き返る。土は器となり、金属は草や木を刈る道具となる。 これにも水と火は必要だ。
 「魔よけ」はこれら、木火土金水の恵みに対する崇めから起こったものが多く、また病魔や獣から身を守る。つまり、  生命を脅かす現象や物を〃悪い魔〃とし、それを払うための効力を求 めた神がかり的な信仰から始まった。
 自然の脅威の恐い地域で崇められる神の戒律ほど厳しい。北の地の山岳地帯で暮ら人々の信仰心は強いものとなる。  日本では信仰の有無を問わず、習俗として御礼が広く用いられている。その発生は、道教の影響によるものと考えられる、  中国の道教では招福徐災のための御礼を様ざまな願いが叶うよう、多種発行され、その流れをくむ日本でも御礼が多種用いられた。
五茫星(ごぼうせい)は☆。黄金比から成る調和のとれた形で、先史時代より「魔よけ」の呪い符として用いられた。 五茫星(ごぼうせい)がもつ「魔よけ」の効力は、一筆書きできることから、悪霊や邪鬼の侵入を防ぎ、かつ 閉じ込める力があり、悪霊や邪鬼が恐れる「目」としても多用された。西洋あるいは中国から伝来し、後世に信仰 的な理論付けがなされ、今日迄使われえている五つのカドが密教でいう五大(地、水、火、風、空)陰陽思想と結びつく 五行(木火土金水)を表しているとし、「魔よけ」として用いられた。日本最古のものは7世紀の阿古山22号古墳 (鳥取県)の石室壁面に線で刻されたものがある。
 東北や関東で御仕事始め(2月8日、12月8日)に目籠を竿の先にかぶせ軒に立てかけたたり、戸口に吊るしたりしていた  と伝えられる。この日は鬼が来ると言われ、その鬼を撃退するために用いられた。編目が竹でできた目籠は大きな目がたくさ  んある。それを見た鬼は恐れ、近付かないとされた。(竹で組むと☆の目がたくさ んできる)御仕事始めの日は、本 来節分の日であったといわれ、現代でも節分の日に目籠を立てかける地方がある。弥生時代の島根県荒谷出土の銅剣や銅鐸に× が刻まれ、佐賀県瀬の尾の墓石には×が一面に刻まれている。×はアイヌ 民族の間でヤスコ、アヤツコと呼ばれ、宮参りの時に「魔よけ」として額に×を描く風習がある(柳田国男著書より引用)
 「魔よけ」は今では神社のお守りとして伝わる。五茫星の五は、五色豆、五色素麺等に残る。棟上げで「魔よけ」として鯛の  腹に刃目を×と入れる。×は「バツ」ではなく「魔よけ」で「不可」の意。日常の会話で使われるバツイチは、何たるこっけ  いな言葉。  言葉が知らぬ間に踊り始めた。「魔よけ」を今では「お守り」ということで、〃魔〃の恐ろしさは薄れてしまったのか。昔流  に言うならばCo_は現代の〃魔〃ということになるのだが。

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